こんにちは!
マレーシア在住、超文系大学生のHINAKOです。
今回は、
言わずとも知れる、不朽の名作
『ぼくらの七日間戦争』シリーズ
を紹介いたします!
一体なぜここまで長くに渡り、
子供たちに愛され続けているのか
その魅力を一つずつ解明していきたいと思います!
あらすじ
とある中学校の夏休み前。
終業式を終えたその放課後に
男子生徒が突然、消えた。
それはなんと
子供たちの反乱の始まりだったのです。
大人のエゴや、親の不条理な抑圧から
解放されるべく、彼らは廃工場に立て篭もります。
果たして彼らの大人との”戦争”の行方は
どうなるのか。
子供たちの仕掛ける愉快痛快な
いたずらは成功するのか!?
激しく揺れ動く人々の感情と、
本気の覚悟を持って反抗する子どもたちの勇姿が
眩しいほどカッコいい一冊です。
大人が子供視点から大人に立ち向かおうとした作品
作者の宗田理さんは、1928年生まれ。
少年時代に戦争を経験した世代の方で、
遊ぶことはもちろん、いたずらなんてできなかった。
だから大人になって、僕が中学生だったらこんなことやりたいな、といういたずらを書いています。
と筆者の方がおっしゃる通り、
まるで青年が書き上げたようなポップで痛快な
ストーリー展開が魅力のひとつになってます。
また、本書が執筆された当時は
とにかく抑制の教育が主流でした。
一方彼らの親は、
かつて全共闘世代と呼ばれ学生時代に
積極的に体制批判をしてきた世代になります。
そんな実状に
「それはちょっと違うんじゃないの?」と
大人に訴えかけたかったというのが
本書の原点なんだとか。
筆者、宗田理さんの
強い思いが込められていることが
よくわかるエピソードです。
だからこそ、本のメッセージ性を
受け取れるようになってきた年頃の
子供たちにぜひ読んでもらいたいのです。
物語の面白さと、
裏テーマのメッセージが
ここまで上手に共存している本は
なかなか出会えないと思います。
ちがう”大人”の存在
子供 vs 大人の構造で
進められていく本書ですがその中に、
子供にも悪い大人にも属さない”大人”の存在
いわゆる例外的な大人が登場します。
・戦争を経験した老人、瀬川卓蔵
・養護教諭、西脇由布子
・誘拐犯、田中
この3人の存在がいいアクセントとなり、
より子供たちが考えさせられるような作品となっています。
昭和感がむしろ良い
スマホやネットがない時代、
教師が生徒を殴る時代。
これが本書の時代背景です。
もちろん管理教育の盛んだった当時と
今は違うかもしれない。
しかし不思議と、今も昔も
子供たちを取り巻くどこか苦しい感情に
共鳴し寄り添ってくれる本。
読み手一人一人が、
何が善いことなのか初心に帰って
哲学させてくれる良書です。
また出てくる昭和ワードを両親や祖父母にぶつけて
「え!知らないの!?」「知ってるわけないじゃん!!」
と笑い合うのも楽しかったです。
古舘伊知郎ってニュースキャスターなの??
そして逆に、トランシーバーやミニFM局に憧れたりもしました。
知らないコトや物を知れるのは
とても楽しいですし、本の醍醐味だと思います。
入り混じる”リアル”
こちらのシリーズにはレギュラーメンバーとは別に
ゲスト出演的な枠で毎回、
多くの新しいキャラクターが登場します。
彼らの多くには実はモデルがおり、
それも作者の宗田理さんが読者からの手紙を参考に
書かれたものなんだとか。
例えば、「ぼくらの修学旅行」では
聴覚障害を抱えた佐山信という人物が転校してきます。
彼のモデルになったのは
「聴覚障害があって、友だちができない」
と手紙を送った長野県の子どもでした。
彼に実際に会いに行き、話を聞いた宗田理さん。
このフィクションに混じったノンフィクションが
今ある子供の本質を鮮明に表現される
秘訣なのかもしれません。
最後に
角川文庫、角川つばさ文庫で
シリーズ累計1700万部に達する本書。
発売当初から、多くの子供たちの
心を踊らせ夢中にさせてきました。
一生心に残る、読書体験を
「ぼくら」シリーズで味わってみませんか?
ぜひこの機会に読んでみてください!
それでは。
HINAKO
この本に興味を持たれた方は、
こちらからご覧ください。
最新情報をお届けします